2007/05/11 訓練 (セーレ)
グローエスの愛の無い攻撃・セーレです。
アグナ・スネフで鍛錬してます。
「たー!!」
「なんのっ、あまいぞセーレ!」
きぃん
一合、二合と打ち合わされる大剣と双小剣。
大剣は大きい分、やや動きが鈍ります。それを軽々と振り回すみなみさんの懐に飛び込むタイミングを見計らいつつ、僕は両手に握った双小剣を構えなおします。
訓練用に刃を潰したものを使ってはいますが、その重量は通常の大剣と変わりありません。当然、僕のような体の小さいものが、双小剣などで攻撃をしかけても、大剣であれば軽々弾き飛ばされてしまいます。
みなみさんの動きの癖、わかってはいるのですが、その隙をうまく突いて懐に飛び込むことができません。まだまだ訓練不足です。
「いつまで純メイジでいるつもりだ?お前。ここじゃそんなじゃ生き残れないぞ!」
「む……」
いつになく厳しい言葉に、ちょっと気合が入ります。双小剣を握りなおし、体制を整えると、みなみさんがにやりと笑いました。
「よし、いいぞ。本気で来い!」
す、と大剣を正眼に構えるみなみさん。大剣を横に凪魏終わったとき、一瞬体制を整えなおす瞬間がチャンスです。
作戦があるのです。
でも、うまくいくかな……?
じゃり、と足元の砂利が鳴ります。丸い礫がやや多目の乾いた地面は、踏ん張りが利きにくいので、脚を滑らせてしまえば、みなみさんの大剣にふっとばされます。刃を潰してあるとはいえ、あの重さを受ければ、僕などは軽く数メートル弾き飛ばされてしまうのです。怪我も間違いないです。
それで、ここしばらく生傷が絶えず、施療院の先生とはすっかり仲良しです。みなみさん手加減なしですからね。まあ、そのほうが訓練にはなるのですが。
双小剣を構え、後ろに一歩。タイミングを図り……
「はッ……」
気合とともに、左の小剣を振って踏みかかり、みなみさんがそれに反応して剣を横に、左の小剣を受けてはじく体制に。
左の小剣を軸に、僕は地を蹴って体を翻しました。大剣が僕をはじこうとする力の方向を変えて利用し、みなみさんを飛び越え、一回転して背後へ!
「とった!」
「……なっ……」
背後に着地するのとほぼ同時に、右の小剣の刃を、みなみさんの首に押し当て、宣言しました。
さすがに、この僕がみなみさんを飛び越えて後ろを取るとは思わなかったみたいです。左手一本の力と、弱いジャンプ力だけで、どうやって飛び越えたのか。
「おまえ、いつのまにそんなに身が軽くなったんだ?」
「重力操作ですよ。体重を軽くしてあれば、普通より高く飛べます。難点は、思うように飛べる程度の重力調整が難しいってことです」
「……なるほど、メイジ上がりらしいなぁ」
双小剣を首から話し、へろへろと説明している僕に、みなみさんはまだ信じられないという様子で頷きました。
「だが、まあ……まだ、常に使えるような技術じゃないってことだな」
「そうですね。も少し調整が必要です」
むーん、と頷く僕の顔に、手が伸びてきました。
むにゅー
「いだだだだだ、にゃにふるれふか!?」
思いっきりつままれて引っ張られる、僕のほっぺた。
痛くて騒ぐ僕を尻目に、妙に納得した顔で頷くみなみさん。
「うむ。夢じゃないようだ」
「そんなん、自分のほっぺたつまんでください!!」
「自分のほっぺたじゃ痛いから嫌」
「えーー」
まあ、今日のところはこれ以上文句は言わないことにするです。
双小剣ではじめて、みなみさんに一勝できたです。
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まったりと旅は続きます。
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