2007/04/15 蚊 (セレ)
ランドリートにいるセレです。
すっかり桜が満開になってます。
「川にはたまに虫とかいるのよね」
うきこさんがぽつんと言いました。
ただいま、オータ河に向かっている僕らです。
「虫ですか」
「うん、虫。女の子って虫嫌いな子多いじゃない〜」
うきこさんは毛先を弄びながら、いつもながらのちょっとのんびりした感じの話し方で続けます。
「虫なんて平気です。虫なんか怖がってたら冒険者できません」
なこさんがえっへん、とばかりに胸をそらして言います。
「でも、この前の大蟻は怖がってたんじゃない」
「あ、あれは大きすぎるもん」
ちょっと引きつった笑顔で、なこさん。
「でも、オータ河付近とか、ラダンロック周辺って、なぜか……」
そこまでいって、うきっぱさんが言葉を切ります。
それに気づいた僕も、足を止めました。
「え、どうしたんですか?」
「もう一度聞くけど、虫は平気?」
「大丈夫ですよ?」
「うん、そーかー。それなら、後ろ見て」
うきっぱさんは例によってにっこりと穏やかです。
なんだろう、と振り返るなこさん。
一瞬の後、悲鳴が当たりに響き渡りました。
「いやーっ!!蚊がいるー!!」
ただの蚊じゃあありません。
オータ河名物……でもありませんが、巨大蚊です。
いやいや、本当に見事な大きさです。
と、僕がボーっと見ている間に。
ざしゅ、ざしゅ、ざしゅっ!
手にしたソードで見事なデルタを描いたなこさん。
一瞬で蚊を斬りました。
これも見事でした。
「ま、そのうち慣れるわよ〜。あたしも最初はいやだったけど〜、なんかなれちゃったもん」
「な、なれ、ます、か」
「慣れるわよ」
まだ荒い呼吸のなこさんに、うきこさんがまったりと返しました。
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まったりと旅は続きます。
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