2007/03/19 星視の天球儀 (セレ)
ランドリートの愛の無い攻撃・セレです。
ただいまポリ村にいます。
村の酒場に入ったとき、僕らは妙な空気を感じました。
冒険者らしき男女が3人。
丸テーブルを囲んで神妙な顔をしていたのです。
僕らは夕ご飯兼晩酌のため酒場に来ていたわけですが、その妙な一段の横を通り過ぎたとき、3人のうちの戦士風の男に、いきなり声を掛けられました。
「プリンだったか?」
うむ。
以前も、こんなやり取りがあった記憶が。
……プリン。
プリンといって思い出されるのは……
例の劇物プリンと、幼女姿の星見です。
んで、ここでこう聞かれたということは、あの人がまた、冒険者にプリンをたかってるってことなんですね。
ふむふむ、と納得していると、ランドリート島に初めてやってきたなこさんは首をかしげて戦士風の男に尋ねました。
「プリン?」
「プリンだ」
「プリンがどうかしたんですか」
「プリンはないか?って聞かれるんだよ」
まったく要領を得ない戦士です。
うきっぱさんが助け舟を出しました。
「だから、誰にどういう状況になってるときに、どういう人にプリン?って聞かれたのか知りたいんだけどね」
ふむ、と戦士。
「儲け話になりそうな話じゃないし、まあいいか」
儲け話なら話さない、ってのが普通ですからね。まあ、それでもいまさらそんなことを言ってるってことは、最初からその辺あんまり考えてなかったんでしょうね。この人。
彼がなこさんに語って聞かせたのは、プリンを持っていないかと尋ねてくる幼女がいる、という話でした。その子は突然現れて、突然消えてしまう不思議な子なのです。戦士風の男と一緒にいた聖職者風の女は、邪悪なものではないと言いました。
「プリンをほしがる女の子か〜。私、見てみたいなぁ」
「……驚くと思いますよ」
「うん。まあ、会いに行こうか」
「そうねー」
そんなわけで、僕らは幼女姿の星見──マレーネ・ウレフに会いに行くことになったわけです。
***
村はずれの大木の下辺りで、僕らはマレーネが現れるのをまっています。
ここにいれば、大体彼女は姿を現します。
程なく。
「……女の子?」
大木の下にたたずむ少女の姿を、なこさんが見つけました。
少女の表情は、その姿には似合わず、厳しいものでした。dddd超然としています。
「あれがマレーネ・ウレフだよ。子供の姿はしているけど、どのくらい生きてるか判らない人だよ」ああ
「セレと同じね」
うきこさんが僕のほっぺたをむにーと引っ張りながら笑います。
「僕は28年ほど生きてるですよ」
「えー!?」
「これでも青年です」
どっからどーみても、顔から身長から行動から…何から何まで……自分で言うのもすでに慣れてる10歳児の姿です。
しゃべり方やら話の内容で、おそらくそれ以上の年齢だとは思われてたでしょうが、どうやらなこさんの想像を超えていたようです。
「セレさん、オトナだったのね……」
「まあ…。あ、それはともかくとして、彼女が気づいたようです」
見れば、マレーネ様がこっちにてこてこと歩いてきます。
んで、間近までやってきたと思ったら。
「貴様、プリンを持っておるのか?」
ときました。
「持ってるよ」
うきっぱさんがこっくりとうなづき、バックパックからプリンを取り出します。
「貴様、それをわしに寄越さぬか?相応の礼はするぞ」
少々じれったそうにマレーネ様。
「差し上げますよ。だってこれ、僕らの口にはあw…むぐっ」
「あ、なんでもないです、きにしないで。よかったら私のも差し上げます」
僕の口を押さえつつ、なこさんがマレーネ様に言いました。
「おお、そうか」
さっきまでの超然とした表情はどこへやら、その辺の子供みたいな相好で、マレーネ様はくいくいとうきっぱさんの神官服の裾を引っ張りました。早く寄越せということらしいです。
page 1 2
まったりと旅は続きます。
旅日記トップへ
セレ日記CGI Ver.1.03
(c)Seleste