2007/02/12 甲都 (セーレ)
愛の無い攻撃・セーレです。
アーバンヘイム大空洞の黒天谷を進行中です。
「うーわ、何あれ」
突然上がったリトゥエの声に、僕らは全員びくっとなりました。
真っ暗で回りは何も見えない濃い闇。手元の輝石が放つ光だけが頼りの洞窟行です。
リトゥエたちフェイアリィは、真っ暗でも僕らとは違ってさまざまなものを見通せる力を持っているので、この闇の中でも、その先にある「何か」が良く見えているのでしょう。
「さきいくよー」
背中の羽から輝く粒子を散らして、どんどん先に飛んでいってしまうリトゥエを、僕らは追いかけます。
「いったい何があるっていうんでしょうね」
「さてねぇ」
遊羽はのほほんと答え、僕は息を切らして走っています。
数十分走ったあたりで、僕らの前に巨大な門らしきものが現れました。鉄製っぽいです。
「なんっスかね」
薫さんが何気なく手を門に伸ばしたとき、僕らの周りの景色が一変しました。
「うわ……」
「機械都市……」
「人の気配が無いね」
僕らの前に姿を現したのは、異様に静かな機械でできた都でした。
……生き物の気配がまったく無い、不気味に静まり返った町が、こんな洞窟の先にあるとは、まったく、噂には聞いていたけれど、驚きです。
「これが甲都か」
良く通る遊羽の声が、がらんとした町に響きます。
「なにもかも、死んでるよ。この街」
リトゥエは気味悪そうに周りを見回し、それからいいました。
「この街にあるものには、イーサ干渉が効かないよ。きをつけて」
「うん」
そうして町の中を少し歩き始めた僕ら。その直後でした。
突然、後ろから奇妙な音声が響き渡りました。ひどく無機質で作られた感じのする声。見ると、30センチくらいの球体でした。白いボディに赤い丸いものが埋め込まれてます。それが二つふわふわと宙に浮いていました。
「……なんだ?」
「警報装置かなんかっぽいッス」
『警告。貴方は、当都市居住承認者の全パターンデータに不適合──』
「うーん、排除されそうですね」
「だな」
その丸っこいのだけだったら、なんとでもなりそうでした。
ところが。
きゅいーん。
がしゃんがしゃんがしゃん
「うを?!」
ものすごい音を立て、僕らのほうに突進してくるもの。
蜘蛛のような下半身に人を模した上半身をもった機械です。
どうやら、侵入者を排除するためにいるみたいです。
「……やばいだろ!?あれ!!」
「で、ですねぇ」
「にげるぞ!」
とてもじゃないけど、かないそうもない敵です。僕らはその場から逃亡を余儀なくされました。
一応逃げながら甲撃破しましたが、いや……硬いし本当に術法が効きません。
「装備整えて、再度きたほうがいいですね」
「だな」
そんなわけで、僕らは甲都から逃げてきました。
いや、参ったです。
次はなんとかして、お宝を持ってくるつもりです。
がんばります。
…そのまえに、また輝石拾わないとです。
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まったりと旅は続きます。
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