2003/09/18 雨の丘レインジア
小高い丘の上には寄り添うようにして聳える二本の大樹があり、それを中心に、辺りには途切れることの無い幻の雨が降り続いている。どのような仕組みで幻像が現れるのか、またこの雨にどのような作用があるのかは判ってはいない。が、ともかく亜獣が近寄らないことだけは確かで、探索・討伐等を任とする者達の格好の休憩所として多く利用されている。
「休憩所?って言うか、屋台がいっぱい在るねわぇ。」
ざっと見渡しても、武器、防具、素材等々、酒を飲ませる屋台まである。
「ほぅ、屋台か。ふむ、この煮込み屋は旨そうだな。お、あの麺屋も良さそうだ。 流石に、生食出来る店は無いな。気をつかってくれてるのか?」
「あっちには、おしゃれっぽい麺屋さんがあるわ。カルボナーラ?美味しそう。」
「なぁ、腹減ってこない?そこの鉄板焼きで何か焼いてもらおうよ。」
「賛成〜!」
二人は、一際盛大に煙を立てながら香ばしい香りを周囲に撒き散らしている屋台へと入っていった。入ると言っても、暖簾をかき分け入ると、すぐ長椅子のテーブルだ。
「らっしゃい!お客さん、飲み物は?」
自分達とそう年齢の変わらなそうな店主が、喉に詰まりそうな元気の良さで出迎えてくれる。うきこは品書きを眺めつつ、2人分の飲み物を注文した。
「ここは、とにかく麦酒でしょ〜。麦酒2杯!!」
正式な町ではない。たまたま屋台が集まって出来た集団であり、軍の目も届かない。
世の荒くれ者が集まるこの芯海で、勢い不心得者も集まってくる。
「どろぼー!」
けたたましい声と共に路上に躍り出る人影が二つ――フライパンを片手に追ってくる男と、逃げる男。何事か喚きながら走ってくる彼らは、通行人にぶつかり、露店の脇に置かれた果物の皿を倒し、篠降る雨の中をてんやわんやでこちらへと駆け抜けてくる。フライパンの男が果実に滑って転び、したたかに顔面を打ちつつもすぐさま首を起こして叫んだ。
「捕まえてくれー!」
うきことうきっぱは、空腹に流し込んだ麦酒が即効性の効き目を発揮しつつあった。
折角の休憩を邪魔されて二人とも少々不機嫌である。
「もう!何よ!キーーーーッ!!」
「こっち向かってくるしさ、ちょっと脅すだけでいいよ。人助けさ。」
ツインチウリップ
vs
雨に紛れて
泥棒
―― Turn 1 ――
□うきっぱ
HP:275/275
□うきこ
HP:259/259
■泥棒
HP:220/220
――――――――
□うきこ
プラズマブレード!
→ 泥棒
115ダメージ
□うきっぱ
ライフセイバー!
→ 泥棒
143ダメージ
倒れた
走ってきた泥棒らしき男を適度に叩き伏せ、先ほどのフライパン男の許へと連行する。
フライパン男は擦りむいた顔面をさすりながら感謝の意を述べると、心ばかりのお礼をくれた。フライパンの男はうきこ達にしきりに感謝し、泥棒の頭をフライパンでバイ〜ンと一叩きした。
「『心ばかりの礼』って何かしら?」
「こっちには『つまらない物』をくれたよ?」
そのまんややん!二人は東方のお笑い芸人伝統のしぐさでお互いを手の甲で叩き合う。
しかし、これは何をするものなのか?包みを開けてみることにした。よく中身を見るとなんのことはない、回復薬(ちょっとだけ)と、亜獣の餌(これもちょっとだけ)だった。
早速、つまらない物はオオカミさんに食べさせ、心ばかりの礼はカバンに入れておくことにした。
「さて、休憩のしなおし〜〜!」
うきこはそう相方に声をかけ、先ほどの鉄板焼き屋に入って行くのであった。
End of Scene...
まったりと旅は続きます。
サイドストーリーず!
Ver.1.00
(c)Seleste