2003/09/12 化石の森

ある日、夜半から雨が降りだした。
誰か激しく駆ける足音が聞こえ、歳三の目はひとつの影を見ていた。影は立ち止まり、半月形の剣をかざし、宙に舞い、そして歳三は右肩に激しい痛みを覚えた。急に思い出したように、歳三は耳の奥に鼓動を感じた。時計の針が決まったリズムで時を刻むかのごとき脈動は、やがて警鐘のように大きくこだまして歳三の体全体に響き渡った。紅の血潮がただひとつの出口にむかって緩く流れ、そこが熱く膨れ上がるように感じた後、ふいに一瞬風が凪いだ。
刹那あたりは白く発光し、そして何も見えなくなった。
歳三は目を覚ました。

無数の化石が地表に露出した奇怪な森に歳三はいた。木が朽ちたまま白い墓石のように立ち並ぶそこは”化石の森”。亜獣も巨大虫もでないそこでは、注意深く歩くと岩陰に小さな植物を見つけることができる。
採取した植物は両の掌で包むと、やがてオレンジ色のうすぼんやりとした光に包まれて分解し、後には小さな種だけが残った。
「これもハーブか。」
歳三はその種を懐に押し込んだ。
見つけた植物をそうして分解するとたいがい薬効のある小さな種を取り出すことができた。それは、それまでただ持っているだけだった爪片や羽と調合すると何か得体の知れないものになり、飲んでみると回復薬だったり解毒薬だったりするのだった。決まった調合パターンがあるらしいと気づいてから、歳三はむやみに調合するのをやめ、注意深くそのパターンを研究するようになっていた。
分かっているのは、植物と調合すれば大概なんでも回復薬ができるということくらいのものだが、セレによると護符を作ることもできるという。簡単に生成できる回復薬は使う機会もなく売ることもできず仕方なしに捨ててしまいながら、歳三は斧もザックも岩陰に隠しおいたままにこの白い森を彷徨して数日を過ごしていた。

・・・・・・
いかんせん、登場人物が歳三一人ってのはつらいことに今気づいた。
バトルもないし。

そうして歳三は化石の森を後にした。

まったりと旅は続きます。


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サイドストーリーず!
Ver.1.00
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