2003/05/06 〜2003/05/09
ランドリートの都から一人旅に出かける朝、
うきことのんは不安を隠していつもの笑顔だ。
うきこの足元にぴったりと寄り添うように若い銀毛の狼。
「じゃぁな。ちょっと鍛えてくるわ。」
「ん、気をつけてね。」
「あいよ、そっちこそな。」
狼の頭をかるくなでると、奴は”ぐる”と軽く喉を鳴らす。
二人のことは大丈夫と奴の眼が語っている。
俺は歩き出す。
それにしても、うきこの狼の名前は”オオカミさん”だと。
そのまんまだ。
”まったけ”・・・ぶははは。
うきこらしいといえばらしい。
のんは一人旅は平気だろうか。
あいつ、のんびりしてるのを通り越して超マイペースだから心配だ。
歩きながらPTの面々が思い浮かんでくる。
ちっ。うるさい蝙蝠め。(気がつけば大灯台)
なんだよ、刀が折れてやがる。
が、こんなときのために重い石斧を背負ってきたのさ。
どがっ!
ふう。それにしても静かだ。
セレが突然妙ちくりんな唄など歌うのも敵わないと思ったが、
アレでもいなきゃいないで静かすぎる。
そういえばアイツ、大灯台では耐眠符うんぬんと喚いていたか。
一応装備しておくか。
(大灯台1F中央部)
てめぇら、そこで何をこそこそしていやがる。
盗賊か。
どかっ!ばきっ!
ったく、通路が多すぎる灯台だ。何が出るかわかりゃしない。
とりあえず階段を上だ。
(大灯台2F)
かさかさかささささーーーー
俺はゴキブリは嫌いなんだよ。
てめぇら、食えねぇだろーが。ずさっ!
毒ネズミも良く見れば可愛い。
しかし、悪いが俺は今無性に腹が減っている。ばきっ!
『トシさん、そろそろお化けが出ますよ〜、うひひひひ』
『気味の悪い笑い方をするなっ』
通信機で聞く久しぶりのセレの声。
一人でもあいかわらずの能天気か。
しかし心配してくれている気持ちはありがたい。
『お化け、物理攻撃効かないんです。気をつけてくださいね』
『ああ。お前もな』
さて、気をつけろと言われても、効きそうなのはライフストリームのみ。
とりあえず思いつきにリフレクをつけてみる。
それにしても、”うひひひひ”じゃねーよ、セレの奴、面白がっているとしか思えん。
俺はゴーストなんぞどうということはない。が、ぞぞぞ・・・気のせいか寒気が。
「・・・!」
ひんやりとした感覚が錯覚ではなく確かに現実のものと認識できたとき、それはもう俺の背後から覆うように俺にかぶさっていた。
「やれるか?」
虚ろな物体を前にパワーサージ。
霊気がいっそう冷たさを増し、ここでのパワーサージは無意味に違いなかったと後悔したそのとき、それはまるで蒸気のように俺の前から姿を消した。
「???」
『セレ、ばか、てめぇ、なにが”うひひ”だ。なんだありゃぁ!』
『はぁ〜?一体どうしたんです、トシさん』
俺はザックから酒瓶を取り出し、通信機の向こうのセレに毒づきながら呑む。
物理無効も何も、リフレクに自滅したゴースト。
さっきまで重苦しい霊気の吹き溜まりだったフロアには心地よい風が吹き上がり、
最上階の大輝石から発せられる光が夜空を遠くまで照らしているのが見えていた。
まったりと旅は続きます。
サイドストーリーず!
Ver.1.00
(c)Seleste